吹き溜まり
本や音楽やライブや映画やゲームのこと。
- 2025.05.16 [PR]
- 2005.08.29 『黒祠の島』
- 2005.08.28 『創竜伝』
- 2005.08.16 『科戸の風の天の八重雲』
- 2005.08.15 『殺竜事件~a case of dragonslayer~』
- 2005.08.14 『銀河英雄伝説』
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『黒祠の島』
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ミステリーホラーな感じ。
題にある黒祠とは全国の神社が位階制により整然と編成され、
祭祀も統一されていた、この国家神道の中で、
統合されなかった神社のこと。
つまりは邪教とされるものの呼称。
主人公の式部剛は、
作家でパートナーの葛木志保の失踪を調査すべく、
彼女の足取りを追う。
【夜叉島】という〈黒祠の島〉にたどり着いた式部は、
その島での驚愕の事実へと足を踏み入れていく。
孤島であり、しかも周囲との接触を拒否し続けた島では、
まるで時代が異なるかのような暮らしが行われていた。
不可解な謎と、答えに近づくにつれて露となる島でのしきたり。
こういう設定好きの私としては、
最後まで楽しんで読ませてもらいました。
『創竜伝』
田中芳樹氏原作の痛快小説。
根底に中国神話を置きつつ、竜堂四兄弟の活躍を描いた作品。
なんといってもこの小説の面白さは、
登場人物のキャラクター性に尽きる。
特に主人公である4兄弟の魅力は、
現時点で13巻(講談社ノベルス版)まで続いている
大きな理由の一つだろう。
竜堂家は長男・始、次男・続、三男・終、四男・余から成り、
両親は既に他界している。
そのため、4兄弟の中での役割分担がしっかりできていて、
長男・始の言うことは絶対である。
兄弟内では【法律より大事な家訓】にのっとって、
様々な窮地を克服していく。
〈けんか好きの平和主義者〉を自称するも、
攻撃を受けた場合の反撃は遠慮がない長男・始。
類のない美青年でありながら、
毒舌と過激さと冷徹さも持ち合わせた次男・続。
兄弟一活発な悪童やんちゃ坊主の3男・終。
おっとりとして人懐こく、可愛らしい4男・余。
続兄さんが相手を負かしているシーンが一番笑える( ̄m ̄〃)
敵と身体で戦っているときよりも、
続兄さんが言葉で相手を言い負かすところが痛快!!
それまでふんぞり返っていた親戚を、
ぺぺぺっと言い捨てるところなんかは思わずニヤリ。
また、この4兄弟、立場や環境がどんなに悪くなっても
悲壮感が漂うことは絶対にない。読んでいて清清しいくらいに。
こんな素晴らしい4兄弟で送るアクション活劇な小説。
本編とは別にオマケで書かれている4兄弟の座談会も面白い。
『科戸の風の天の八重雲』
ちょいと厚めです。
呪術や結界、鬼、祟りといったものを要素に
古から封じられてきた媛神という祟り神が
解き放たれてしまったことをめぐり、
偶然封印を解いてしまった春生に接触する加賀彦と暁彦。
術者であるこの二人にも過去と現在に対する葛藤がり、
それがストーリーと絡み合って面白い展開になっていく。
といった感想をもつだろうが、
実際それを受け継ぐ方には、決していいもんではない。
術の種類にもよるが、こういったものには常に暗い影が付き纏うものなのだととの感想をもった。
『殺竜事件~a case of dragonslayer~』
今の時点ではこの4冊だが以下続刊ということになっている。
ちなみに次は『残酷号事件』が出される予定。
作者は上遠野浩平氏で、ブギーポップシリーズで知る人が多いかな。
このシリーズのジャンルはミステリー・ファンタジーとのこと。
確かに舞台設定はファンタジーで、
魔道士とかお城のお姫様とか騎士とかが登場する。
主人公は仮面を被った謎だらけの戦地調停士。
ストーリーは確かにミステリーであるが、
事件そのものが独特な作品で、
決して明るいお花畑のようなファンタジーではなない、
幻想的な感じの漂うミステリーだと思う。
人の心を洞察する観点からして通常とは変わった見方をしていて、
うまくいえないが、同じものを見ても全く別の、
それもとんでもなくかけ離れたものを見ているという印象の濃い
主人公のミステリアスさが魅力的な作品ですね。
『銀河英雄伝説』
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銀河英雄伝説〈VOL.20〉落日篇(下) 田中 芳樹 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() by G-Tools |
これはもう有名ですよね。いわゆるスペースオペラの類です。
作者は田中芳樹氏で、
確か徳間ノベルスと徳間文庫とデュアル文庫で出ております。
徳間文庫だと10冊程度なのにデュアル文庫だと20冊にもなります;
その他に外伝も出ているので、デュアルの場合合計29冊ですかね。
私が読み始めた頃はちょうどデュアルの方が刊行し始めた頃で、
出るごとに買っていきました。
この作品、舞台は宇宙だが、それほど宇宙くさい作品ではないと思う。
神林長平さんの作品のように専門用語が乱舞ということはないので、
このジャンルとしては読みやすい。
帝国側と同盟側での戦争だが、どちらも悪ではないし
どちらのトップも、それぞれに人々の幸福は侵害しないという気質を持ち
もちろん好んで戦争をしているわけではない。
それでも己の立場と望みの為に戦争するわけだが、
登場人物は多く魅力的だ。
これを友人に勧めたら、名前が分からないとのことだった。
確かにこの作品の登場人物の名前は全てカタカナでしかも長い。
●ラインハルト・フォン・ローエングラム
●ジークフリード・キルヒアイス
●ウォルフガンク・ミッターマイヤー
●オスカー・フォン・ロイエンタール
○ヤン・ウェンリー
○ユリアン・ミンツ
:
: ●帝国 ○同盟
登場人物の項をみて本を閉じる人も多いだろう;
実際私も読みながらこれ誰だ?と思うこともしばしば・・・・・。
私が好きなのはキルヒアイスなのだが、涙なしには読めません。
でもとにかく面白いですよ。
どこかで、この作品は宇宙で三国志やってるというコメントを見たので
宇宙ものだといって切り捨てないで、
中国史好きの人が読んでも面白いと思います。