吹き溜まり
本や音楽やライブや映画やゲームのこと。
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『メモリアノイズの流転現象』
メモリアノイズの流転現象 上遠野 浩平 祥伝社 2005-10 by G-Tools |
シリーズ化するとは思わなかったこの作品、
登場人物は前巻同様、各界に多大なる影響力を及ぼす東澱家の者、
主人公’Sはもとより、ペイパーカットも登場している。
このシリーズはペイパーカットシリーズであろうから、
今後毎回登場するのだろう。
そしてペイパーカットが消えたときに、完結という形になると予想される。
杜名賀家の夫婦の離婚がスムーズに済むようにと依頼された、
私立探偵の早見壬敦。
彼には誰にも言った事のない、奇妙な能力があった。それによって、
無関係のはずだった20年前の杜名賀朋美の事件が露となる。
そしてペイパーカットもまた、
キャビネッセンス【生命と同価値の宝】を求めて現れていた。
同じく伊佐俊一と千条雅人も、ペイパーカットを追い、
同一の場所にあらゆる無関係とも思える人々が集まる
―――その中に意外な繋がりを隠して―――
今回はブギーポップを読んでいると、懐かしい名前が登場する。
『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』で登場した、
寺月恭一郎の名前である。
生前の彼に接触したことのある早見は、
彼に自らの能力を見抜かれていた。
その後寺月との関係はないようだが、
ここで寺月の名を見るとは思わなかった。
また、前巻のように千条を知る伊佐が、上手く彼を使いこなしているが、
千条の、場の雰囲気を考えない言動と、
人の会話らしくない言葉遣いにはすこしばかり苦労が見える。
人が生きるために、
それを失くしたら生そのものの意味がなくなると同等のもの。
それは人であり、ものであり、感情であり、
定義できないものもあるだろう。
しかし人はそれに自覚はなく、自覚がないからこその価値であり、
自覚した途端にそれらの意義は霧散してしまう。
私としては前巻よりも楽しめた作品となりました(*'ー'*)♪
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