吹き溜まり
本や音楽やライブや映画やゲームのこと。
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『子どもたちは夜と遊ぶ』/辻村深月
この方の作品は『冷たい校舎の時は止まる』から読むのは2作目。
前作の『冷たい~』がかなり好きだったので、期待して読み始めた。
優しく触れようとしても壊してしまう、
大人になりきれない子どもたちは、
暗い恋の闇路へと迷い込んでしまった……。
掛け違えた恋のボタンと、絶望の淵に蹲る殺人鬼の孤独への恐怖。
2人の間で繰り返される殺人ゲーム。
そこに隠れる恋の行方は…
<『子どもたちは夜と遊ぶ』講談社・裏表紙より抜粋省略>
私は恋愛小説は読まないし(漫画はそれなりに読む)、
ミステリー的な話にメインの表立ったところに恋愛要素が絡むのを、
どちらかというと嫌う方だ。
でもだめ、辻村さんの小説はどうも私に波長が合うらしい。
辻村さんのミステリーは、前作に引き続き青春要素が入っている。
青春小説も同様、私は好んで自ら読んだりはしない。
でも彼女の物語の登場人物がどうも良すぎて…
人物設定及び描写がとてもいい。
「i」と「θ」の間で行われる残虐な殺人ゲームの合間に、
登場人物がどんどん掘り下げられて、輪郭が鮮明になっていく。
月子の人物設定が新鮮だった。
他の小説でいそうでいない。
辻村さんの描き方が私は凄い好きなんだと思う。
本当、何でこんなに登場人物が愛おしいんだ。
狐塚、月子、浅葱、恭司、彼らを取り巻く人たち、皆いい。
にしても、「i」に関しては何となく予想していたけど、
それよりもあの事実の方を見逃していた。
ぜんぜん気付かなかった…
「θ」の慟哭に続く一連の悲劇に涙が出ちまったぜ。
そういえば、秋先生が出てくる別の小説があるようだ。
もう彼女の小説集めよう。
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