吹き溜まり
本や音楽やライブや映画やゲームのこと。
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『優しい煉獄』
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優しい煉獄 森岡 浩之 小菅 久実 徳間書店 2005-04-16 by G-Tools |
そう書いてあった気がするけど。。。
科学技術が発達した未来において、
定期的に人格、あるいは記憶を保存し、
死後それを元に仮想現実での死後の世界を生活する
というのが可能となっていた。
ネットワーク上に存在するそれらは、
現実の人間とのコミュニケーションをも可能としたが、
処理速度が異なるため時間の速度の差が激しく、
スムーズにとはいかない。
その仮想現実において古株とも言える
自称探偵・朽網康雄を視点に出来事が描かれる。
仮想現実での暮らしはもちろん期限がないわけではなく、
生前の資金により利用料を支払い、それがなくなり次第、
仮想現実からも消滅することとなる。
そのためお金は誰もが欲しいところである。
設定は面白いのだが、いまいちインパクトに欠く。
自称探偵の主人公も、
自称というだけあって、いわゆる名探偵という感じはない。
依頼される件も、事件性の乏しい可愛いものである。
むしろ設定の中で、仮想現実の姿が変化していく方が面白かった。
『メモリアノイズの流転現象』
メモリアノイズの流転現象 上遠野 浩平 祥伝社 2005-10 by G-Tools |
シリーズ化するとは思わなかったこの作品、
登場人物は前巻同様、各界に多大なる影響力を及ぼす東澱家の者、
主人公’Sはもとより、ペイパーカットも登場している。
このシリーズはペイパーカットシリーズであろうから、
今後毎回登場するのだろう。
そしてペイパーカットが消えたときに、完結という形になると予想される。
杜名賀家の夫婦の離婚がスムーズに済むようにと依頼された、
私立探偵の早見壬敦。
彼には誰にも言った事のない、奇妙な能力があった。それによって、
無関係のはずだった20年前の杜名賀朋美の事件が露となる。
そしてペイパーカットもまた、
キャビネッセンス【生命と同価値の宝】を求めて現れていた。
同じく伊佐俊一と千条雅人も、ペイパーカットを追い、
同一の場所にあらゆる無関係とも思える人々が集まる
―――その中に意外な繋がりを隠して―――
今回はブギーポップを読んでいると、懐かしい名前が登場する。
『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』で登場した、
寺月恭一郎の名前である。
生前の彼に接触したことのある早見は、
彼に自らの能力を見抜かれていた。
その後寺月との関係はないようだが、
ここで寺月の名を見るとは思わなかった。
また、前巻のように千条を知る伊佐が、上手く彼を使いこなしているが、
千条の、場の雰囲気を考えない言動と、
人の会話らしくない言葉遣いにはすこしばかり苦労が見える。
人が生きるために、
それを失くしたら生そのものの意味がなくなると同等のもの。
それは人であり、ものであり、感情であり、
定義できないものもあるだろう。
しかし人はそれに自覚はなく、自覚がないからこその価値であり、
自覚した途端にそれらの意義は霧散してしまう。
私としては前巻よりも楽しめた作品となりました(*'ー'*)♪
『ソウルドロップの幽体研究』
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ソウルドロップの幽体研究 上遠野 浩平 祥伝社 2004-08 by G-Tools |
シリーズ第2巻がこのほど発売され、
またしても関連単語がでてきたので、
改めてまずはシリーズ第1巻の『ソウルドロップの幽体研究』を。
【生命と同等の価値のある物を盗む】奇妙な予告状。
犯行後の部屋から失くなっていた一つのキャンディ。
サーカム保険の調査員伊佐俊一と千条雅人、謎の多いこの二人は
予告状の犯人【ペイパーカット】を追っていた。
見た人によって、容貌も年齢も異なって見えるという不可思議な存在。
そして今、新たな予告状の元に事件が展開する―――
調査員の二人はそれぞれ一度死んでいる
といっても変わりない状態であり、
それぞれの瀕死の状態から、現在に至るまでに、
伊佐俊一は目を、千条雅人は脳を含め身体のほぼ全てを、
最新技術によって補っていた。
この二人のコンビがいい感じに面白い。
ペイパーカットも、いわゆる犯人というような固定された人物ではなく、
それが事件を不可思議なものにしている。
冒頭で霧間誠一の小説の一部が載っていて、
この作品もブギーポップのように、
人間の奇妙な感覚や精神状態を特化させた能力が存在し
物語全体の現実とは異なる浮遊感を醸し出している。
ワンダと巨像 クリア
エンディングムービーが長いですね。
「百鬼夜行抄」
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百鬼夜行抄 (1) 今 市子 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() by G-Tools |
今市子さんのあやかし物語。
文庫版も出ているのが、
通常版はA5判で値段も高く、だいたい800円前後;
ただ、掲載雑誌の方が奇数月のみの出版なので、
そう頻繁に購入がないのが消費者にやさしいようなもどかしいような(^-^;
巻数は現在13巻にも及ぶものの、それぞれの話が完結しており、
短篇集ともいえる作品。
ところどころに、以前の話を読んでいないと把握しにくい場合もあるが。
人間関係とかね。
妖魔ものといったら、
普通は主人公に何かしらの特殊能力が備わっているものだが、
この作品の主人公・飯嶋律にはそれが全くない。
多少見えやすいということはあるが、
だからといってどうこうするような能力はない。
祖父からの少ない知識と慣れのみで、降りかかる面倒に立ち向かう。
結構怖かったりするのに、ユーモアでもって描かれている部分も多い。
律の周りに群がる妖魔がすごくいい。
青嵐とか尾白と尾黒とかが面白い(* ̄m ̄)