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カテゴリー「小説」の記事一覧

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『覇者と覇者』発売!!?

その時の衝撃は一言日記の方で去年書いていたのだけど、
小説家、打海文三氏が昨年の2007年10月9日に逝去されました。
『裸者と裸者』、『愚者と愚者』を読了していて、
その続刊にして完結とされる『覇者と覇者』の執筆中のことでした。
氏のブログも時々除いていた私は、この訃報の記事を目にしたとき、
正直冗談だと思いました。
つい数日前に本人による記事がUPされていたのを見ていたから余計に。

それから一年が経とうとしていますが、
何と!!角川サイトに今月の新刊として『覇者と覇者』が掲載!?
打海氏がどうやって小説を書くのかは知らないので、
要所要所の文章は完全じゃないが、話としては最後まで描かれているのか、
それともキッチリ文章で順を追って描いていくのでやはり最後は未完となるのか、
はたまたその両方となるのか。

何にせよ、形にしてくれたご家族及び関係者の方々に感謝です。

裸者と裸者 上 (1) (角川文庫 う 15-3)  裸者と裸者 下 (3) (角川文庫 う 15-4)

愚者と愚者 (上)    野蛮な飢えた神々の叛乱 (角川文庫 う 15-5)  愚者と愚者 (下)    ジェンダー・ファッカー・シスターズ (角川文庫 う 15-6)

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『子どもたちは夜と遊ぶ』/辻村深月

子どもたちは夜と遊ぶ(上)     子どもたちは夜と遊ぶ (下)

 この方の作品は『冷たい校舎の時は止まる』から読むのは2作目。
前作の『冷たい~』がかなり好きだったので、期待して読み始めた。

優しく触れようとしても壊してしまう、
大人になりきれない子どもたちは、
暗い恋の闇路へと迷い込んでしまった……。
掛け違えた恋のボタンと、絶望の淵に蹲る殺人鬼の孤独への恐怖。
2人の間で繰り返される殺人ゲーム。
そこに隠れる恋の行方は…

<『子どもたちは夜と遊ぶ』講談社・裏表紙より抜粋省略>

私は恋愛小説は読まないし(漫画はそれなりに読む)、
ミステリー的な話にメインの表立ったところに恋愛要素が絡むのを、
どちらかというと嫌う方だ。
でもだめ、辻村さんの小説はどうも私に波長が合うらしい。
辻村さんのミステリーは、前作に引き続き青春要素が入っている。
青春小説も同様、私は好んで自ら読んだりはしない。
でも彼女の物語の登場人物がどうも良すぎて…
人物設定及び描写がとてもいい。
「i」と「θ」の間で行われる残虐な殺人ゲームの合間に、
登場人物がどんどん掘り下げられて、輪郭が鮮明になっていく。
月子の人物設定が新鮮だった。
他の小説でいそうでいない。
辻村さんの描き方が私は凄い好きなんだと思う。
本当、何でこんなに登場人物が愛おしいんだ。
狐塚、月子、浅葱、恭司、彼らを取り巻く人たち、皆いい。

にしても、「i」に関しては何となく予想していたけど、
それよりもあの事実の方を見逃していた。
ぜんぜん気付かなかった…
「θ」の慟哭に続く一連の悲劇に涙が出ちまったぜ。

そういえば、秋先生が出てくる別の小説があるようだ。
もう彼女の小説集めよう。

『水銀奇譚』

4652086113 水銀奇譚 (ミステリーYA!)
牧野 修
理論社 2007-08

by G-Tools

また懲りもせず…と自分でも思わないでもないが、
あらすじと表紙買いで購入してまった一品。
以前、「傀儡后」で私には全く合わないと思ったものの、
短編集である『MOUSE』はいけた口なので、
『水銀奇譚』のあらすじから意外にまともなのを書いたのかもしれないと思い、
レジに運ぶに至った。
ここでのまともとは、要するに常識人が登場する物理法則に則ったストーリーのこと。

あぁぁぁ、何というか、これはむしろ「傀儡后」に近い。
プロットというか根幹にある人間像というか、
薫君と『傀儡后』の彼は基本設定が同じ感じがした。
ただ、『傀儡后』よりも、話の流れや構成は遥かに単純だった。
あらすじから、今回はそんな難解じゃなさそうと思っていたけども、
やはり構えて読んでいた為が、むしろその単純さに拍子抜けな感じ。
『傀儡后』の彼は、到底理解できない不気味さがあったが、
今作の薫君は、随分さっぱりな設定になっている。
つくりが単純というか。
しかも後にもひかず、綺麗に無くなった感じで。

何か随分万人向け作品を書くようになったんだなぁという感想。
私はイマイチ。

『冷たい校舎の時は止まる』

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)     冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)

辻村深月・著の㊤㊥㊦の3冊からなる長編青春ミステリー。(文庫版は㊤㊦の2冊)
この著者の作品はこれが初めてだが、私的にかなり当たりな作品となった。

その日は朝から雪が降っていた。
私立青南学院高校の生徒が8人、雪の中を学校へと向かう。
雪に、寒さに悪態をつきながら、いつも通りに登校する彼ら。

電気や暖房の入った学校。
しかし肝心の生徒や先生がいない。
奇妙に思いながらも、構内を探す彼ら。
諦めて帰ろうとした時、玄関の扉は開かなかった―――

こういうさ、閉鎖空間に閉じ込められた人間の末路って、
疑心暗鬼になってどんどん自滅していくのが定番だろう?
例えば小川一水氏の『天涯の砦』もそのネタで、さらに登場人物のキャラに悪がいたり。
しかし、この『冷たい校舎の時は止まる』は異なる。
『天涯の砦』を読んでいる時は、登場人物に本当に憤慨したものだけど、
『冷たい~』を呼んでいる間は、メインの8人が全部愛しい。
しかも、この著者の人物設定や描写がとてもいい。
少なくとも私が読むにはとても合っている。
リアルな描写だとありきたりな感想は言いたくないけども、
キャラクター一人一人が抱える問題とその正確と思考回路が、なんとも言えなくいい。

学校に閉じ込められた彼らの一人があることに気付く。
青南高校ではその年の学園祭に飛び降り自殺があった。
しかし、その自殺した生徒の顔も名前も誰も思い出せない。
そして、一人、また一人と仲間が消えていく。
凄惨なマネキンの状況を残して―――
それと同時に、屋上には一人の人間が寒さに凍えながら佇んでいた。

何か、生徒の男性陣がとてつもなくかっこいい。
読みながらふとその一人と自分が似ていることに気付く。
それは仲間の一人の昭彦。
明るく、人付き合いのいい彼は女子にも人気がある男子高校生。
でも、それと同時に彼自身は自分の淡白とも冷淡とも言える状況判断にも自覚があった。
そして、私もそんな自覚がる。
なにせ、親に冷たい人間と言わしめたことのある自分だ。
興味の無いことに関しては徹底的に無頓着だし、
ニュース報道で悲劇的な話題について、事実を客観的に冷淡に評価したりする。

この作品の8人の仲間は、やはりそれぞれ過去を抱えているけども、
なんとも素敵に愛しいキャラクター像を書き上げた著者に惚れそう。

『星界の断章Ⅱ』

4150308802 星界の断章 2 (2)
森岡 浩之
早川書房 2007-03

by G-Tools

断章は外伝短編集なので、本編は進まない訳だけども、
久しぶりの星界に、やっぱり面白いなぁと再確認。
思えば、WOWOWアニメとしてCMされているのが出会いだったこの作品。
宇宙SF好きの私としては、画面にチラッと宇宙が映れば興味が湧く。
最近のWOWOWアニメは萌え系な絵の時点で遮断するのだけど、
本当、最近電撃系の面白く無さそーなやつばかり。
まぁ、ここのところチェックもしてないけどね。
といってノンスクランブル枠の話であって、スクランブル枠では一応まともみたいだが…。
「エルゴプラクシー」もこの星界シリーズもスクランブル枠だったしね。
私はレンタルで頑張って見たよ。ちなみにアニメの方も面白い。

今回の外伝、「嫉妬」は記憶にあったな。
当時フィルムブックが出ていて、それに収録されている短編が読みたいが為に、
何冊か買ったのだ。
星界は世界設定もさることながら、人物がユニークでやっぱり面白い。
「童戯」に出てくる、本編でもお馴染みのエクリュア・ウェフ=トリュズ・ノールは良い変人。
本編では専らエクリュアに階級を付けて呼称されているが、ここではノールと呼ばれている。
基本無表情で読めないキャラクターではあったけど、
艦の操舵の荒さは既にいくつかの場面で証明されていたのに加えて、
冗談の通じない、取り扱いの難しいキャラであることが、再度確認されたと言っていい。
年下が姉にあたる自分に対抗心を出し始めたのに対して、

そろそろ鬱陶しくなってきたので、そのうち殴ってやろう

ってあんた……;大人しそうな顔しているのに、その無表情さでコレを考えたのか…
毒舌なんだけど、自分は自覚して毒舌を放っている訳じゃないから性質が悪い。

アブリアルはいつもの如くアブリアルだった。
ジントらの星、惑星マーティンを支配下に置くべく遥か頭上に現れたときも、
ジントの父親である政府主席や、
その他政府関係者や住民は、疲弊と混乱の中だったにも関わらず、
冗談交じりに会話をするアブリアル。。。。血筋って凄い。
アブリアルに限らず、一族はだいたい同じ気性を持って生まれるといってもね。。。

とりあえず続刊が早く読みたい。

  

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