吹き溜まり
本や音楽やライブや映画やゲームのこと。
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『呪の血脈 』
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呪の血脈 加門 七海 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
北アルプス山中で鎌が幹に打ち込まれた奇妙な神木を発見する。
いけないことと知りながら、
学問的興味からその鎌を木から削り出してしまう宮地。
だがその行為を村人に発見されて、
彼は神木に神再び封印するための
【祭】に参加させられることになってしまう。
民俗学を基本として、村の儀式から、
神木の意味する本当の存在理由。
宮地が村で起こしてしまった事が、村内で収まらず、
儀式といったものを一昔前の虚像と認識するような
都会においても脅威の影響を現し始める。
そして忌まわしき【裏】の祭りとは・・・・・
と展開していって、終盤は怒涛のように都会の状況が描かれている。
いわずもがな民俗学に儀式といったキーワードで
私が面白くないわけが無い( ̄ー+ ̄)
私が読んだ加門さんの作品の中でも面白いお気に入りの作品。
『月読』
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月読(つくよみ) 太田 忠司 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
〈本格ミステリ・マスターズ〉シリーズの一冊。
3.5cmの厚さがあるものの、
1P1Pにあまり文字がつまってないので、案外すぐ読めます。
人が死んだ時に、ある思いが形となって
オブジェみたく現れるものを【月導(つきしるべ)】という。
そしてそれから死者の思いを読み取る能力を持つ者を
【月読(つくよみ)】という。
【月読】はそうそういるものではなく、
その能力を商売とするとかなりの高額になる。
また、【月読】と発覚した時点で、其の者は親元を離れ、
別の新たな人生を歩まなくてはならない。
こういった設定の中で、事件の真相と犯人探しが始まる。
月導の設定がなんとも儚くて、切ない。
それは月読である朔夜にも言える。
昨夜はあくまで本業は翻訳家として、
あまり月読としての自分を好んではいないように見える。
先が気になって、一気に読める作品です。
『封神演義』
安能務訳の講談社文庫より上中下の全3巻のこの作品、
『反三国志』(著・周大荒/訳・渡辺精一)
では挫折した私にも読めました(^^;)
基本的に中国小説には字が付きもので、
コレが私にとって大きな壁となっている。
三国志になると、登場人物は多いわ、
さらに会話と通常の文章とで名前だったり字だったり・・・
覚えられないのですよ(" ̄д ̄)!
この人誰だっけ状態に何度も陥り、結局上巻で止まった。
それに比べ『封神演義』は読みやすかったし、
理解もしやすかったように感じる。
ストーリーは面白いし、人物描写も受け取りやすいんじゃないかと。
藤崎竜氏の漫画版も面白いですね。
って、私コチラの方が先なんですがね(^-^;
中国の方では、三大怪奇小説は
『西遊記』と『三国志演義』と『水滸伝』という事になっているが、
『封神演義』も入るとの認識も強いとのこと。
『水滸伝』も読んでみたいのだが、
どれを一番に読むべきかが分からん。それに長い(。_。;)
『ラインの虜囚』
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ラインの虜囚 田中 芳樹 講談社 2005-07-07 by G-Tools |
途中少しブランクがあったが読了。
講談社の〈ミステリーランド〉シリーズなので、やはり分かりやすく、
複雑な構成にはなっていない。
やっぱり田中芳樹さんはテンポがいいのが面白いと思う。
この作品は長くはないし、後半におけるテンポは軽快♪
父を亡くし、絶縁状態だった祖父の元、パリを訪れた少女コリンヌ。
自分を孫だと認める条件に、
既にこの世にいないナポレオンの生死を確かめて来ることを出され、
そのナポレオンが捕らえられているという
【双角獣の塔】へ真偽を確かめるために仲間を探し始める。
コリンヌが見た真実とは――――
面白いことに、実在の人物が何人か登場している。
ジャン・ラフィット、エティエンヌ・ジェラール、アレクサンドル・デュマ、ハインリッヒ・ハイネ。
といっても、私が実在した人物だということが分かるのはアレクサンドル・デュマだけ(-_-;)
他の3人については正確なことはいえません、
実在人物か否か(; ̄ー ̄A 歴史に疎いバカですから。。。
ま、一緒に登場させてる感じから実在人物なのかな?
アレクサンドル・デュマの作品については、
『三銃士』はアニメで放送していたのを昔見ていて、『モンテ・クリスト伯』は読んでみたい。
後者は『巌窟王』としてアニメ化し、
その独特の映像美が数々のアーティストや芸能人を虜にした模様。
公式サイトにコメントが載っているし。
映像は兎に角綺麗でした。メイン舞台のパリの情景から登場人物の衣服に至るまでに、
優雅な貴族たちの雰囲気が、どこか妖しげに描かれています。
夢のようなパラレルワールド。
原作の評判もいいので、いつか手に入れて読みたい一冊( ̄ー+ ̄)
『夏の魔術 』
長編ゴシック・ホラーと類別されているが、
ファンタジー色の強い怪奇ミステリーな感じである。
著者は田中芳樹氏でシリーズ4冊刊行され完結している作品。
□夏の魔術
□窓辺には夜の歌
□白い迷宮
□春の魔術
大学生の能戸耕平と、
とある無人駅のホームで出会った小学六年生の立花来夢。
奇妙な汽車に乗り合わせた彼らと数人の乗客は、
邪悪な雰囲気の漂う、奇怪な体験を共にする・・・。
ただし命の保障はなく。
来夢に潜む不可解な何かと、
耕平にーちゃんが頑張るアクション活劇でもある。
シリーズを進むにつれてこの二人の信頼関係は大きくなり、
赤の他人とは思えない協調性を現す。
ファンタジーですから可愛いほんわかしたストーリーで、
ホラー要素は無いとは言わないが、怖いほどではない。
来夢が年のわりにかなり大人なので、
ある意味安心して読むことができる。
難しい表現も無かったと思ったから、子供でも楽しめる作品だと思う。
奇妙な汽車の先にある森に囲まれた黄昏荘園とはいったい何なのか・・・
冒険ファンタジーとしてオススメです。